■■■世代を超えた仲間づくり■■■
NPOパソコン活用支援ぴんぐ 代表理事仲尾聖子 

【はじめに】
「高齢者・シニア」といえば、「介護・寝たきり」そんな暗いイメージを思い浮かべていませんか?「じゃあ、趣味や関心のあることってなんだろう?」、「演歌?時代劇?」ひとくくりにしてしまいがちな世代ですが、これは大変失礼な話で、実際には、60代〜90歳以上と幅広く、生きてきた環境、経験、みんな違います。正しくは「熟年者」と呼ぶべきではないのでしょうか?30代の私が生意気に、こんな事を考えるようになったのは、「パソコン」をきっかけに仲間と活動をしているからかも知れません。

【ぴんぐとは】
急速に発展する情報化社会、私達はITを使える人とそうでない人の格差が広がってきている事に問題意識をもち、格差を埋めるための支援をしていこうと発足しました。ぴんぐでは、現在、さまざまな支援活動を行っています。
■IT講習後のフォロー講習
「パソコンをもっと使えるようになろう講座」参加者60名
■「コンピュータおばあちゃんの会」
大川加世子さん講演会 
「パソコンは未来のパートナー」参加者216名
■コムズフェスティバル 
「シニアの為のネットワークづくり・パート2」
「趣味からはじまるインターネット」参加者56名
■情報リテラシーセミナー 
「パソコンのこれだけは知っておこう講座」参加者92名

ぴんぐの催しには、いつも幅広い年代の方から問合せを頂きます。中でも、熟年者達の、毎回、何かを得ようとするパワーや、パソコンに関する興味深さや関心の高さを実感することは、私達の活動の原動力になっています。
 また、ぴんぐのスタッフは「パソコン」をキーワードに、20代から60代と幅広い年齢層で構成されています。利害関係のない同じ思いをもった「仲間」でいることは、素直に相手の心の広さや、温かさに気づく事ができ、年を重ねてきてからこそ見えてくるもの、感じる事があるのだと窺い知ることができます。

【エピソード1】
 今年の2月に、コムズフェスティバルが行われ、昨年の夏から実行委員として「いきいきシニア21」、「おもとの会」の熟年者グループのメンバーと共に分科会を企画・運営してきました。パソコン初心者にもインターネットを楽しんでもらおうと、試行錯誤しながら役割分担を決め、私はホームページを担当しました。
内容は趣味を「エンターテイメント・ゲーム・創作・レジャー・ガーデニング」に分けて紹介するというホームページです。私はイラストを載せるにあたって、レジャーでは、おじいちゃん、おばあちゃんが旅行しているイラスト、ゲームでは孫とおじいちゃんがカルタをしているイラスト、各分野とも同様に作成していきました。
しかし、後日行われた部会で私は「はっ!」としたのです。ポスターやチラシには「おじいちゃん、おばあちゃん」のイラストはありません。私は「シニア」対象のイベントだから、当然「白髪頭」や「シワ」を強調したイラストを使うものだと思っていたのです。そんな私を察してか、「わしらの会で、以前チラシに、『爺さん婆さん』の絵を使ったら、会のおねえさん達にえらいおこられてのぉ」と笑い話をしてくれました。

【エピソード2】
ぴんぐ主催の講演会に東京から来松してくださった大川加世子さん(72歳)とは、今もメル友なのですが、以前お話をした時に「日本老年看護学会で『むすんでひらいてをさせないで』という講演をさせてもらったのよ、意味わかるかしら?」と尋ねられました。私のまわりの、熟年者達は、将来寝たきりにならない為に、健康に気をつけたり、また自ら「ボケ防止」と言って、パソコンを習ったり、何事にも前向きで意欲的です。確かにパソコンは一つずつ、確実に、自分で納得しながら進んでいくため、何度も繰り返しながら習得しています。ゆっくり進んでいるように見えるからといって、集えば園児と同様お遊戯をさせたり、童謡を歌わされたり。また、脳梗塞で倒れて、大変なリハビリを乗り越えてやっと歩けるようになった時に、手を叩いて「えらい、えらい」とまるで幼児がはじめて歩行できた時と同じような扱いを受ける事があるというのは、熟年者をよく見ていない人達の、単なる自己満足に過ぎない行為なのかも知れません。

【最後に】
一般に言う「高齢者・シニア」に対して、外から見るのと中から見るのとでは、ギャップがありすぎる事に、まだ気がついていない人が多いのではないでしょうか?波乱万丈の人生を生き抜き、困難を乗り越えて現在を迎えた方々の経験や奥深い知恵は、いくつもある引き出しの中で醸されているようです。控えめな態度を美徳としてきた世代だからこそ、実働部隊となって主張し、動くのは私達であり、彼らは頼もしい存在として私達を見守り、常に支えてくれています。そんな素敵な仲間に私はいつも感謝しています。